さくいん

研究会こぼれ話

1.葛根

葛家の根として生きている思いを託す(カネボウ薬局経営ガイド'94.7-8月号から)

山の中に薬草採りの老人がすんでいました。
或る日、14〜5歳の少年が息せききってはしってきました。
「そんな真っ青な顔をしてどうしたのだい」
と老人が訊ねると・・・・
「助けてください。追ってが私を殺そうとしています。」
「誰がおまえを殺そうというのた゛」
「私は、山の麓の葛家の息子ですが、悪い大臣がいて、私の父が謀反を起こそうとしていると皇帝に上奏したのです。それを信じて皇帝は皆殺しにせよと命じたのです。
父はいいました。お前は葛家の一人息子だ、早く逃げろ。葛家を絶やすでないぞ、と。助けてください」
葛家は忠臣として知られていました。老人は少年を裏山に連れて行き、誰にも知られていない岩穴に隠しました。追っ手は丸3日探しましたが、少年を見つけ出すことができず、山を降
りてゆきました。
どこにもゆくあてのない少年は老人と一緒に住むようになり、毎日山へ薬草を採りに行きました。
老人はある草の根をよく採取していました。
それは発熱、口の渇き、下痢などによく効きました。
やがて老人は亡くなり、一人前の薬草採りになった少年は草の根てたくさんの病人を治していました。
ある時、草の根のなまえを聞かれました。名前かなかったので、一瞬戸惑ったものの、自分の身の上にヒントをえて"葛根"と答えました。
葛根とは葛家の一族は 斬罪になったものの、自分一人が葛家の根として生存としているという思いを込めて名つけたのでした


2.甘草

かまどにくべる干草が薬に
ある村に年配の医者がいました。或るときよその村に往診にでかけ、しばらく家を留守にしていました。
その間、村では病人が次々に出たため、村人は医者の帰りを待ち焦がれていました。しかし、なかなか帰ってこないので、医者の奥さんは気が気ではありませんでした。
かまどにくべるために、お勝手に積んでいた干し草をふと手にとって噛んでみると甘味がありました。これを気休めに薬の代わりにあげてみよう、害にはなるまいと干し草を刻んで紙に包
み病人に渡して言いました、
「これは先生がおいていった薬じゃ、煎じて飲みなされ。」と。
何人もの病人がそれを煎じて飲んだところ、病気はすっかりよくなりました。
数日後、医者が帰ると病気が治った村人が薬代を持ってきました。
「はて、薬代?わしは薬などだしていないか゛・・・」
医者が呆気に取られていると、
「先生が置いていった薬を奥様がくださったのです。」
患者が帰るのを待って奥さんは、事情を話すと医者は驚いて言いました。
「その干し草が病気を治したとしても、おなじ病気ではなかっただろうし、不思議なものだ。」
翌日、病気が治った人たちを診察すると、胃の悪い人、咳が出て痰の切れなかった人、できものの人など、どの患者も治っていました。
医者はこの薬が気を補い、胃を整え、のぼせを除いて毒を下すことを知り、色々な病気を治しました。その後その干し草は甘いので甘草と呼ばれました。