眠くならないかぜ薬

 かぜ薬を服用して頭がボーッとなったり、眠くなったりして仕事にならなかった。 胃が荒れて食欲がなくなった。こんな経験はありませんか?
 鼻水を止める作用のある
抗ヒスタミン剤は価格も安くとても良い薬なのです が、喉が渇いたり、眠くなったりする作用があります。喉の炎症を抑えたり熱を下 げる作用のある解熱鎮痛剤や消炎鎮痛剤は特別胃の丈夫な方以外では胃を荒ら すことが多い薬です。
 受験期を控えた子供さんの場合、薬を服用することで勉強にならないどころか、試
験中に十分な力が発揮できないでは困ってしまいます。
 こんな時に役立つのが漢方
かぜ薬ではないでしょうか? 胃の弱い方や眠くなってはこまる方、車の運転をされる方などにはうってつけで す。特別に漢方かぜ薬という名前の薬があるわけではありませんが、かぜ症状の 時に比較的よく利用される漢方薬のことを言います。
 よく知られた漢方薬が
葛根湯(カッコントウ)です。かぜの引き始めで、比較的 体力のある方、しかも背中から首すじにかけて悪寒やこりのある方に利用される薬 です。汗がでていないことを目標に、体を暖めて発汗を促しかぜ症状を取り去りま す。この漢方薬を暖かいお湯で服用することで効果を高めます。冷たい水や冷えた ドリンクで服用されても十分な効果は期待できません。葛根湯の成分に麻黄という 生薬が配合されています。西洋薬であれば眠くなるところが、この麻黄のおかげで 目がパッチリと覚めてきます。勉強で疲れた時には葛根湯の一服でも薦められて はいかがでしょうか?
 心臓の弱い方の場合、葛根湯を服用して胸がドキドキすることがあります。いわゆ る動悸が生じることがあります。心臓病のある方はご注意されて下さい。 葛根湯はかぜの初期症状に用いられるばかりでなく、肩凝りや頭痛にも利用されま す。 肩凝りの場合く首筋から頭部にかけて縦にそって症状がある場合に効果的です。
 
同じような初期症状で特に節々の痛みが強い時には麻黄湯(マオウトウ)という薬 が節々の痛みを取り除いてくれます。 体力のない方や妊娠されている方には桂枝湯(ケイシトウ)が利用されます。桂枝 湯の場合、汗が少し出ている場合を目標にして利用されます。  水鼻や湿っぽい咳が出る場合は小青竜湯(ショウセイリュウトウ)という薬が用い られます。アレルギー性鼻炎で水鼻がでている時にも利用されます。東洋医学で言 う水毒(水の代謝の悪い状態)を改善してくれます。服用するとすっぱい味のする漢 方薬です。葛根湯と同様に体を暖める作用があります。心臓病の方はご注意下さ い。
 
体力のない方やご年配の方には麻黄附子細辛湯(マオウブシサイシントウ)や 真武湯(シンブトウ)などがあうことがあります。 かぜがこじれたり抗生物質が長く服用できない場合には柴胡桂枝湯(サイコケイ シトウ)や小柴胡湯(ショウサイコトウ)、柴胡桂枝乾姜湯(サイコケイシカン キョウトウ)などが東洋医学的診断のもとで選択されます。
 乾いた咳が続くような時には
麦門冬湯(バクモンドウトウ)が利用されます。 体に潤いを与え痰の切れをよくし咳を静めます。 かぜの初期だから葛根湯とは限りません。 その時の病状や体力にあわせて方剤(漢方のくすり)が選ばれます。
 高熱が続く場合や基礎疾患として糖尿病のある方などでは、漢方薬だけでなく抗生
物質などが使用される必要があります。こういった場合にはお近くの医療機関で受 診されて下さい。